基底状態の水素原子のイオン化エネルギーはn=0→n=∞の軌道への遷移するときのエネルギーと等しい。つまり、$E_∞-E_1$と13.61eVは等しい。
$\newcommand\i{{ε_0}}$
$$\b
E_∞-E_1&=&-\f{m_ee^4}{8\i^2h^2}(\f{1}{∞^2}-\f{1}{1^2}) \\
&=& \f{m_ee^4}{8\i^2h^2}\\
&=&13.61[{\rm eV}] \\
\e
よって、
$$\b
E_2&=& -\f{m_ee^4}{8\i^2h^2}\f{1}{2^2}\\
&=&-\f{1}{4}\f{m_ee^4}{8\i^2h^2} \\
&=&-\f{1}{4}(13.61) \\
&=&-3.4025 \\
&≒&-3.40 [{\rm eV}]\\
\e
$$\b
E_3&=& -\f{m_ee^4}{8\i^2h^2}\f{1}{3^2}\\
&=& -\f{1}{9}\f{m_ee^4}{8\i^2h^2} \\
&=& -\f{1}{9}(13.61) \\
&=& -1.5122…\\
&≒& -1.51[{\rm eV}]\\
\e
(1)-bの解説
$n’=3からn=2$に遷移する際に放出されるエネルギーΔEは
$$\b
ΔE&=&E_3-E_2 \\
&=&-1.5122-(-3.4025) \\
&=& 1.8903[{\rm eV}]\\
\e
よって、これが放出される電磁波の波長のエネルギー$\f{hc×10^9}{eλ}(λは波長[{\rm nm}])$と等しいから、
$$\b
ΔE&=&\f{hc×10^9}{eλ} \\
1.8903&=&\f{6.63×10^{-34}×3.00×10^{8}×10^9}{1.60×10^{-19}×λ}\\
λ&=&\f{6.63×10^{-34}×3.00×10^{8}×10^9}{1.60×10^{-19}×1.8903} \\
&=&6.57…×10^3 \\
&≒&6.6×10^3[{\rm nm}] \\
\e